概要
医薬品の安全対策において、リスクコミュニケーションの重要性が浸透してきています。しかし、多種多様な情報が数多く流通しているものの、医療を受ける側の観点からこれらの情報が有効であるかどうか議論されることはほとんどありません。このため、今回のリスクマネジメントワークショップでは、リスクコミュニケーションを取り上げ、患者さんへのリスク最小化策を担う資材のあり方について、皆様とともに考えていきたいと思います。
効果的なリスク最小化として患者さんにどのようにリスクを伝えるべきか?
リスクを正しく適切に伝えるための資材とはどのようなもの?
患者さんに伝えたいメッセージは届いているのだろうか?
リスク一辺倒ではなくベネフィットについても伝わっているのでしょうか?
伝えてもらう薬剤師はどのように考えているのだろうか?
患者さんや家族の方に伝える情報を検討し、資材を作成する際に、ふと湧いてくる疑問について、患者さん、薬剤師、行政の立場の方から意見を聞きながら、あるべきリスク最小化資材を一緒に考えてみませんか?
午前の講演では、医療におけるリスクコミュニケーションのあり方について研究されている京都大学の中山健夫先生から、国内外の最新の情報についてご紹介いただきます。続いて、昭和薬科大学の山本美智子先生から、米国CDCが提唱しているリスクコミュニケーションの評価指標についてご紹介いただきます。また、ささえあい医療人権センター(COML)の山口育子先生には当センターに寄せられる相談を通じて、患者さんが求めるリスクコミュニケーションのあり方について、そして患者さんと最前線で対応されている東京大学医学附属病院の大野能之先生からは日々の業務を通じた提言を行っていただきます。
続いて、午前の講演を基に、午後のグループワークでは、いくつかのケースから実際のリスク最小化資材を作成いただき、どのような資材が必要・有用なのかを考えてみたいと思います。また、承認審査・安全対策業務で得た事例に基づき当局の考え方についてもご紹介いただきます。
多くの方々のご参加をお待ちしています。
プログラム委員会
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Rei Maeda Consultant
Independent Consultant for Drug PV, Japan -
Fumiyo Aoki Team Manager, Pharmacovigilance
AbbVie GK, Japan -
Hiroya Asou, MD, PhD, MBA Senior Medical Advisor, Global Patient Safety Japan
Eli Lilly Japan K.K., Japan -
Kasumi Daidoji, PhD, RPh Associate Director, Clinical Planning & Development Dept., Medical Headquarters
Eisai Co., Ltd., Japan -
Kazuhiko Ishida, MSc, RPh Director, Pharmacovigilance
Astellas Pharma Inc., Japan -
Rie Matsui, RPh Senior Director, Regional Labeling Head for APAC, International Labeling
Pfizer R&D Japan G.K., Japan -
Kou Miyakawa Director
Takeda Pharmaceutical Company Limited, Japan -
Hiroyuki Murakami Duputy Review Director, Office of New Drug I
Pharmaceuticals and Medical Devices Agency (PMDA), Japan -
Mitsuo Saito, PhD Technical Advisor
Institute For Health Vigilance, Japan -
Junko Sato, PhD Associate Executive Director
Pharmaceuticals and Medical Devices Agency (PMDA), Japan -
Tomoko Yamada Associate director, Safety risk management, Pharmacovigilance
MSD K.K., Japan